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店舗PVメイキング、作曲・撮影・編集を一人でやる

えび寿ベーグルさんのプロモーション映像が出来上がりました!

今回のPVは企画、撮影、編集、作曲を全部一人で行ったのですが、企画から撮影編集までならともかく、作曲までやる人はあまりいないのではないかと思います。自分でもちょっと面白かったので、作っている間の私の頭の中身を書き残しておこうと思います。

1. 企画、コンセプト、コンテ

企画の出発点としては、於鳥制作所のPVサンプルを作りたい、というところからでした。せっかくだから自分が本当に好きなものを紹介したいと思い、えび寿ベーグルの店長さんにご相談をしたところ、快諾していただくことができました。ブライダル以外の題材で映像を作るのは初めてのため、もろもろ手探り状態でしたが、まずはコンセプトを練りつつコンテを作ってみることに。

誰が何のために見てどんな気持ちを得る映像かというコンセプトをまず考えて(左ページ上)、映像の流れをメモ(左ページ下)した後、人と打ち合わせられるように絵コンテ化(右ページ)。半分眠りながら書いたので字が汚い。
誰が何のために見てどんな気持ちを得る映像かというコンセプトをまず考えて(左ページ上)、映像の流れをメモ(左ページ下)した後、人と打ち合わせられるように絵コンテ化(右ページ)。半分眠りながら書いたので字が汚い。

撮影の前々日、絵コンテを見つつ打ち合わせをして、しっかり映してほしいところ、逆に映してほしくないところについて詰めていきました。実際に頂いたご要望としては、

・商品がいろいろあることが伝わるように、陳列棚をしっかり映してほしい

・丁寧に手作りしていることは伝えたいが、作り方の手順説明みたいになってしまうのは避けたい

・ちょっと照れくさいので顔は映らないように撮ってほしい

ということで、合点承知。

2. 撮影

撮影は実際の営業日の朝、準備時間からスタート。邪魔者にならないようにしつつ、普段通りの流れを自然に撮らせていただきました。

愛用のCanon EOS M5。小さくていい仕事をしてくれます。
愛用のCanon EOS M5。小さくていい仕事をしてくれます。

数カット、流れの中で撮り逃したけどどうしても欲しい動作と、インサートする声については、お店が落ち着いた後にヤラセで撮らせてもらうなどしました。それからお客さんが入ってくるシーンですが、本当のお客さんを勝手に撮らせてもらうわけにいかないので自分で出演しています。店長さんも私もプロ役者ではないので、ちょっと照れ臭いものがあります。ふふふ、と顔を見合わせて、笑いをこぼしながら必要素材を揃えました。

 

ちなみに、ラストカットのホワイトボードの文字ですが、もともとは存在を知らなかったので撮影予定にはありませんでした。偶然当日見つけた時にこれで締めるしかないなと思い、しれっと撮っておりました。お店の良さはそっとしたところにも隠れていますね。思っていた以上の出会いがあるので、撮影は楽しいです。

3. ラフ編集、曲構成

映像編集と作曲は普通、一方通行だと思います。予め曲があってそれに合わせて映像を編集していくか、先に編集がすんだ映像に合わせて音を付けていくか。今回はせっかく全部自分でやるので、行ったり来たりしながら作ってみることにしました。

 

まずはざっくり映像を編集。50分ほどの撮影素材を3分弱にまとめます。最終的に1分半程にする予定でしたが、この段階では少しのりしろを残しておくつもりで長めに。

編集ソフトはAdobe Premiere Proを使っています。婚礼の即日編集ではEdiusを使うこともあります。
編集ソフトはAdobe Premiere Proを使っています。婚礼の即日編集ではEdiusを使うこともあります。

ざっくり出来たら、映像を展開ごとにブロック分けして、各ブロックの時間比率と気分の上がり下がりをなんとなく考えます。大体です。本当はコンテの段階でここまで精密に詰めておけるといいかも、と後から思いました。

汚いどころの話じゃない。余談ですが、シンセサイザッカーさんのメモパッド超かわいい。M3(音系オンリー即売会)で購入して愛用しています。
汚いどころの話じゃない。余談ですが、シンセサイザッカーさんのメモパッド超かわいい。M3(音系オンリー即売会)で購入して愛用しています。

その後、このメモを頼りに曲のイメージを固めていきます。何拍子か、テンポはどのくらいか、メインの音色は何にするか、というのをまず考えます。数小節適当に作って、映像と並べて鳴らしてみて、これでいいとかちょっと違うとかここからここまでは実際何小節必要かとかを確かめて、頭の中で曲構成を固めます。

作曲ソフトはStudio Oneを使用。3/4拍子、テンポ112~118くらい、ピアノとギターをメインにしたクリーンで明るいリラックスした感じの曲、というのを最初に決めました。数小節ピアノとギターの音を並べてみて、違和感がないかを確認。
作曲ソフトはStudio Oneを使用。3/4拍子、テンポ112~118くらい、ピアノとギターをメインにしたクリーンで明るいリラックスした感じの曲、というのを最初に決めました。数小節ピアノとギターの音を並べてみて、違和感がないかを確認。

4. 作曲、音合わせの本編集、絵合わせの再編曲

考えた曲構成に従って、とりあえず聞ける状態の曲を仕上げます。良い曲になるように一生懸命頑張ります。作曲は感覚に任せていることが多くて、あまり書けることがないのですが、とにかく、頑張ります。最初のイメージさえしっかり固まっていれば、あとは頑張った分だけ良くなります。

 

映像編集に移り、出来た曲に合わせてカットポイントを決めたり、ちょっと順番を入れ替えたりして、映像を詰めていきます。

 

さらに曲に戻って、映像に合わせて音を足したり引いたり調整し、磨いていきます。

 

と、音と画の間を何度も行ったり来たりして、無事完成です。

5. 於鳥制作所らしさ

この作り方は、決して効率的なやり方ではないと思います。しかし、於鳥制作所らしいこだわりを詰めることができたなあと思います。全部一人でやっていますから、大きいものやたくさんのものはできませんが、こまごましっかりと、於鳥制作所でしかできないものを感じていただけたら幸いです。

 

快く制作の機会をくださり、相当私の自由に任せていただいたえび寿ベーグル店長に、心からの感謝を。ありがとうございます。

皆さまぜひ、ベーグル食べていってください! おいしいよ! お店の紹介はこちら

 

そして、映像制作のご依頼お待ちしております!