最近は取引先の仕事で、新しく入ってきた人に撮影や編集を教える機会があります。聞かれてなくても厚かましく面倒を見たがるおせっかいおばさんです。だって少しでも多くの人により良い映像をお届けしたいし、仕事を始めるひとに映像の楽しさを感じて欲しいし、ゆくゆく一緒に切磋琢磨する仲間が欲しいのです。
そんな中でいろいろ考えてみるに、実写系の映像制作が出来るようになるにはいくつか段階があると思います。
1) カメラの機能が分かる/編集ソフトの機能が分かる
2) 状況に応じてカメラの各機能を操作できる/編集で違和感なく繋がるカットの並びを選べる
3) テーマに合致した演出的な撮影ができる/カットの組み合わせからストーリーを生み出す編集ができる
なんか学校の通知表みたいですね。私の自己評定は2)と3)の間です。
実写系の映像制作をやりたい人向けの情報として、私が各段階でどんな風に学習したかを書き残しておきます。
私は説明書を読むのが好きなので、1)に関しては苦労なくクリアできました。初めての機種やソフトに触れるときは、説明書を全ページざっくり読んでから使い始めることにしています。説明書読むのが嫌いな人は、とりあえずいろいろ触ってどう変化するのかを見てみるといいと思います。良くわからないことがあればその機能名でググれば大体解決します。あるいは私に聞いていただければ、出来る限りお答えします。
2)の特に一眼撮影に関して言えば「カメラの学校」というYouTubeの動画コンテンツが大いに参考になりました。デジタルハリウッド専門学校が制作している動画で、eラーニング用の講座の一部を公開しているようです。太っ腹。
生徒役の石川さんというチャラいおじさんが出てきて、カメラマンのゆり先生と珍道中を繰り広げつつカメラの使い方を学ぶ、緩いおもしろ動画です。何をどうしたらいい感じの画になるのかよくわからない、という人におすすめ。独学でカメラを使ってきた人は暇つぶしがてら見ていくと発見があっていいと思います。基本的に写真の話ですが、映像でも同様に使える知識がほとんどです。
茶番度高めですが何かと参考になる「カメラの学校」。例えば料理の撮り方の回はどなたも興味深く見れるのではないでしょうか。
2)の編集については、数をこなしつつなんとなく出来るようになっていった感じです。いくつかの禁則事項を覚えて、それを注意深く避ければいいだけなので、あまり難しい話ではないです。ジャンプカット、イマジナリーライン、カットの持つ情報量と保てる秒数の関係、とかその辺りの話。詳しくはそのうちまた別の記事で書くかと思います。
3)については私も悩んでいる段階でなんとも言えないのですが、ひとつ『映像の原則』という本を指針にしています。ガンダムの富野監督の著作で、映像を構成する演出的要素の原理原則について書かれています。文字を読むのは好きなんですが、それでも結構難しく感じてよく理解しきらないところもあります。このレベルの話って、既にわかっていることだけが読んでわかることなのかもしれません。自分の今の力量を確かめるために時々読み返して、少しずつ理解を広げています。
それから、ベテランカメラマンさんに「とにかくたくさんの映像を見て、考えて、感覚を養うこと」と教えてもらいました。結局のところ最後はセンスの話になってきそうですが、センスは養えるものでもある。「センス」という言葉をあきらめる口実にせず、努力する目的にしたいなーなんてことを思っています。